宅をつくるということは、そこに住まうお客さまのご希望をできる限り実現するということです。
まず欠かせないのが、家を建てる土地の特徴をしっかりと把握すること。
郡司建築工業所は1967年の創業以来、筑西市やその周辺地域での家づくりを続けてきており、
その歩みの中で得た知識は、この地域のお客さまの家づくりに必ずやお役に立つものと考えます。
心がけているのは、なるべく細かな空間をつくらないこと、
そして、なるべく余計な線を増やさずにシンプルな空間をつくることです。
そのことが、実際に住み始めた後にお客さまに大きなご満足をもたらすことを、
私たちが多くの経験から理解しているからです。
代の社長である私の父は、高い技術を持ち、
つねに考えて工夫することをいとわない、優れた大工です。
父の姿を見て育った私にも、また、現在いる7名の大工職人にも、
その技術と創意工夫の精神は受け継がれています。
とくに先代の教えとして継承されているのは、「当たり前のことを極める」という姿勢です。
水平が必要なところはとことん水平に、垂直が求められるところはとことん垂直に。
当たり前の仕事を高い精度で丁寧に積み重ねていくことで、
空間の美しさや居心地のよさが大きく変わります。
一方で、お客さまそれぞれのご要望やこだわりをご予算内で実現することについても、
私たちは工夫を凝らし、つねに実現に向けて柔軟なご提案ができるよう心がけています。
郡司建築工業所が、他の設計事務所からも施工の依頼をいただくことが多いのは、
この、当り前のことを極め、創意工夫を追求する、
ものづくりの姿勢を評価いただいているためだと思っています。
たちが目指しているのは、
家の価値を長期的に保つことができる家づくりをすることです。
そのために、私たちは、家を長持ちさせるうえで重要なポイントとなる
「断熱」「耐震」「白アリ」への対策を怠りません。
とくに、断熱対策をきちんとすることは快適な空間づくりの基本と考え、
また省エネルギー対策にもつながるため、
すべての住まいで妥協のない丹念な断熱対策を行っています。
家が完成してある程度の年月が経ってから、修理などのご依頼で家をお訪ねしたとき、
この家のこの場所がとくに居心地よくてねぇ」と、お客さまに笑顔でご説明いただくことがあります。
私たち郡司建築工業所のスタッフが、もっとも喜びを感じる瞬間です。
の写真は、父が使っていた大工道具を撮影したものです。
私は学生のころから父の仕事を手伝ってきましたが、父は「黙って見て覚えろ」というタイプではなく、
道具の使い方から工法に至るまで丁寧に教えてくれました。
建築家は空間づくりを図面や模型を通して考えますが、大工職人である父は図面は描かず、
頭の中で自由に空間を広げ、木と対話しながら手を動かしていきます。
父の姿を見て育った私の中にもそういった空間のつくり方が息づいています。
一級建築士として歩み始めてからも、父の言葉や手を動かすときの姿勢は、
私が仕事をするうえでの揺るぎない基盤となっています。
株式会社郡司建築工業所
代表取締役 郡司政美